欲は深まれど、意欲は浅くなる。

ほしいものがたくさんある。
新しいジャケット、パンツ、ブラウス、スカート、
新しい手帳、財布、名刺入れ、
新しいめがね、新しいピアス、新しいネックレス、
気になるタイトルの本、まんが、写真集、古本の、
何かのふしめ、とあたらしいはじまり、
という不安定でふわふわな軟弱なこころにつけこまれて、
物欲という悪い大仏みたいな顔した欲がやってくる。

ちなみに、アンコールワットに入口に、
よい神様と悪い神様の掘られた壁があるんだけど、
悪そうな顔してるほうが、よい神様で、
ひとのよさそうな顔してるほうが、悪い神様だそうです。
うーん、深い。
あまりに凄腕の詐欺師はひとがよさそうな顔だったりするものね。


なんだかあれもほしい、これもほしい、とそう思っていると
こんどはその思いがパンクしてこれまたほしくなくなるという。
永遠にそのターンを繰り返して、悶々とぐるぐる欲しいものの渦に巻き込まれて、
まわりまわり洗濯機のようにぐるぐるまわって、
最後はひとり渦の中心にたってるんじゃないかな。