なぜかしら自分というものは絶対安全なバリアの中にいるように思いがちだよね。

以前、ちらっとみて気になってた、
平山夢明の「他人事」を読んでみた。

まずなんで買ったかというと、
解説が冨樫だったということ。
あの、幽白の?!
あんなおもしろい漫画をかくひとはどんな文章を書いてるのだろう?
そんな人がおもしろいって言ってる小説はどんなんだろう?
と、
まあ、まんまと出版社の意向にはまっているという
ただのミーハー。

読んでみて、
後味悪く、ちょっと気味が悪いので家には置いておきたくない、
というような気持ちが起こる。
どれも非現実的で、起こりそうにないことなんだけど、
一歩間違えたら、どこかでそういうことが起きてそう。
それでいて自分の身には起こらないだろうなー、と
ほんと、「他人事」。
自分は大丈夫、という安心感があってこそ、
ふーんという感じで読んでみようかな、
覗いてみようかな、という。
ただ、ほんとうはもしかしたら自分にも、、、
という少しのゆらぎのある不安がつりばし効果のようになって
この本に引きつけられてしまう。

けっこうグロイ表現が多いし、
その描写が細かいからすごく想像できるから
読んでるとおなかいっぱいになる。
でも、ああなるほど冨樫くらいになるとこういうのが好きなんだなあ、
というのを感じ取れたのでよかった、かな。

まあ、読んでみて何か書きたいと思ったのだから、
けっこうすきな本でもあったということかしら。
しかして、らもの人体模型の〜みたいな何度も読みたい感じには
ならないんだよなあ。
たぶん限りなく自分の生活に近いなかで、
グロくて救いがなくて暗転で終わるからかな。
なのでしんどいからもうこのひとのは買わない・笑