たとえ0円だとしてもスマイルを売り物にしてはいけない

マクドナルドの異物混入があれよあれよと出てきている。
あんなに好きだったのに、今はお店も見るのもちょっといやーな感じになってて、
そういう世の中の雰囲気っていうのは気持ちにすごく影響する。

ちょっと前に、近所のラーメン屋さんにひとりで行ったときのこと。
ラーメンのスープの中に小さな虫が入っていた。
すくいあげて灰皿に出した。
もうすでにけっこう食べてしまっていたので、
お店を出る時に店員さんに伝えてそのまま出た。
ちょっと、いや、かなり腹は立ってたけど、
例えばツイッターとかフェイスブックに投稿したり、旦那さんにも言ってない。
(ラーメンをこっそり食べに行ってたのもあるけど)

わたしは他人が理解できないくらい虫が大嫌いだし、
その時とても腹が立っていた。
でも、そのラーメン屋さんはいつも接客もすごくいいし、とても美味しい。
だから、そのお店を虫が入ってたと広く明るみにすることで、
自分の中で選択肢から消してしまうことがいやだったから。
もちろん、ひとつ入ってたらいくつ、、、、という考え方もあるけど、
気持ちの問題だけど今日限りであったと思いたい。
だって、これまではとてもいいお店だったから。
後日、旦那さんと食べに行っている。

ほかにも、中華料理屋さんに定食を食べに行ったときに、
中華鍋を洗う木の棒みたいなのが炒め物の中から出てきたことがあった。
店員さんに言ったら、新しいものを出してくれた。
たしかに嫌〜な思い出ではあるけれど、そのお店はそのあとも何度も通ってた。

一度きりの浮気は許す、じゃないけど、
嫌なことがあってもそれに目をつぶってまた通う。
そういうことって意外と多いんじゃないかな。


今回のマクドナルドのことは、もちろん歯なんてめちゃくちゃ気持ち悪いし、
謎のゴミムシってどこにいたんだよ、金属片とかあかんやろってすごく思う。
実際、マクドナルドの店内はわたしが行ってるラーメン屋さんよりも、
中華料理屋さんよりも衛生的にきれいなはず。
どこぞのお店のおっちゃんよりもスタッフもマニュアル通り手をきちんと洗ってるはず。
でもそれを、1回のことだからって許してもらえないのは、
マクドナルドが接客という仕事を高度に合理化しすぎたせいなんじゃないかな。
もちろん、お客さんのためにというスタートだとは思う。
早い、安い、うまい、無駄なし。

例えば2人客が来た時に、ポテトのMサイズをひとつ頼んだとする。
そのときに、ふたりでひとつなんでちょっと多めにしておきましたね、
なんてサービスは絶対ない。
みんな同じ量、同じサービス、どんなひとでもお金さえ払えば丁寧に笑顔で接してもらえる。
ただ、そこに人と人との対話はほとんどない。
もちろん場合によってはあるかもしれないし、
そんなにマクドナルドに通わないからすべての場合とはいえないだろうけど、
都市部の忙しそうな店舗では雑談をする店員とお客さんていうのは見たことない。
よく行く店舗はあるけど、ただただ便利で食べに行くだけで、
その店舗や店員に対しては対して思い入れはない。(かわいいかっこいいとかなら別だろうけど)

そんなときに当たり前である食の安全がゆらいだら、
必ずみんな平等なサービスを受けられる場所で不利益を被ったら、
ツイッターとかどんな人でも見られるかたちにして怒りを表現してしまうこともあるんだろうなぁ。
それは接客を合理化しすぎて、あのお店、とかあの店員さん、という
なんだか昔的なあったかいものが抜け落ちた結果なんじゃないかなぁ、と思った。

何分か以内にサービスできなかったら、無料券を渡します、
早くっていう焦りだけがあって、ハンバーガーがなんだかゆがんでたりとおかしなことになってた。
あと、メニュー表をなくしますていう無駄を減らそうとしたけどストレスが増えるという
合理的を追求しすぎてトンチンカンなサービスをしてるなと最近は感じる。

0円だとしても、メニューに載せてスマイルを売り物にしたというマクドナルドは
ただ早い安い無駄のない接客ではない何かを考えないといけないんじゃないかなぁ。


それにしても、てりやきは好きだし、ポテトも好きだし、
抵抗なく食べに行ける日は来るのかなぁ。